獅子身中の虫

事件事故、自然災害のブログ

渋谷ハロウィーン逮捕、決め手は防犯カメラ捜査

 10月に東京・渋谷のハロウィーンで若者らが軽トラックを横転させた事件は、警視庁によって関与したとされる男15人が特定された。当日の人出は約4万人。群衆の中からどのように個人を特定したのか。決め手になったのは、警視庁が「リレー方式」と呼ぶ防犯カメラ捜査だった。

 

 10月28日午前1時、渋谷センター街は狂乱状態だった。十数人の男たちは軽トラックを取り囲むと、手で持ち上げて横転させた。


 2020年に東京五輪パラリンピックを控える中、多くの人が集まることで発生する混乱や事故を防ぐ雑踏警備を強化している警視庁は事件を重く受け止めた。殺人や強盗事件を担当する捜査1課を中心に43人を投入。防犯カメラを軸にした捜査を始めた。


切符買う手元の映像を拡大


 警視庁は渋谷地区だけで約20台の街頭防犯カメラを設置している。常時モニターしながら録画もしている。捜査員たちはこれらの映像に加え、近くのビルや商店、駅の改札などにある民間の防犯カメラ映像を収集。事件に関わった男たちの事件後の動きを追った。


 白メガネ、リュック、帽子、スタジアムジャンパー。捜査員たちは画像を確認する際、男らの特徴的な服飾品を目印にした。ある男については、駅で切符を買う映像が見つかったため、手元を拡大して金額を特定。降車駅の当たりをつけた。


 こうした捜査では、交通系ICカードを使う場面が見つかれば、鉄道会社に照会し、時間などから使われたカードを特定。利用履歴を調べることもある。車が使われれば、Nシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)を使い、だいたいの行き先を調べる。


 今回の捜査でも自宅の最寄りとみられる駅などが判明すれば、周辺に捜査員を派遣し、再び防犯カメラを回収し解析する作業を繰り返した。カメラのない場所では聞き込み捜査を組み合わせた。


250台のカメラ映像つなぎ合わせ


 点と点をつなぎ合わせて、事件現場から容疑者の自宅や関係先までを一本の線で結ぶ捜査手法。これが「リレー方式」だ。全国には500万台を超える防犯カメラが設置されているとされ、09年に発足した警視庁の捜査支援分析センター(SSBC)には映像解析の専門チームもある。


 警視庁は今月5日、軽トラックの上で跳びはねるなど行為が悪質だと判断した4人を暴力行為等処罰法違反(集団的器物損壊)容疑で逮捕した(2人に罰金10万円の略式命令、2人は起訴猶予)。ほかに関与が疑われる11人も書類送検する予定だ。


 一連の捜査で集めたカメラは250台に上った。捜査幹部は「防犯カメラ映像を集めるのは地道な捜査だが、目撃情報など人の記憶よりも確かで、証拠としての信頼度も高い。犯人を追うツールとして今後ますます重要になる」と話している。


「のりでやってしまった」


 警視庁が特定したのは、東京▽神奈川▽山梨▽群馬――の1都3県から来た10~30代の男たちだった。旅行や留学で来日中だった英国やフランス、ベルギーなどの外国人も5人いた。ある外国人は警視庁に「日本のハロウィーンは狂っている。いくら騒いでも捕まらないと聞いた」と話したという。大半が酒に酔っていたとみられ、逮捕された男たちは「のりでやってしまった」などと供述している。

 

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