獅子身中の虫

事件事故、自然災害のブログ

理稀ちゃん医師「元気でびっくり」 ママに甘えて泣いて

 山口県周防(すおう)大島町で行方不明になっていた藤本理稀(よしき)ちゃん(2)が15日朝、3日ぶりに発見された。幼い子どもが、たった一人で、どう命をつないだのか――。無事を祈っていた親族や手当てした医師らに、驚きと安堵(あんど)が広がった。


 県警柳井署によると、理稀ちゃんは15日午前6時半ごろ、行方不明になった曽祖父宅から北東に数百メートル離れた山中の沢の近くで発見された。ボランティアで捜索に加わっていた尾畠春夫さん(78)が名前を呼びながら山中に入ると、「ぼく、ここー」と返事があった。あめ玉を渡すと、かみ砕くように食べたという。


 理稀ちゃんと顔を合わせると、母親は喜んで泣き出した。理稀ちゃんは祖母ともしっかり会話していたという。取材に応じた祖父は理稀ちゃんと再会して「感激で涙です」と話した。元気そうな様子に安心したといい、発見者には「『ありがとう』しか言葉がないです」と安堵の表情を浮かべた。


 理稀ちゃんは周東総合病院(同県柳井市)に搬送された。会見した小児科の竹ノ下由昌医師は「脱水症状があるが状態はおおむね良好。元気にしているのを見てびっくりしている」と話した。竹ノ下医師によると、肌に擦り傷があったり、ダニがかんだ痕がついたりしているが、目立ったけがはない。ただ、眠い様子で、母親に「ママー」と甘えたり、治療を嫌がったりするなどの反応もあるという。数日間の入院を予定している。


 理稀ちゃんが行方不明になったのは12日午前10時半ごろ。県警や消防などが約140人態勢で川や池、空き家などを捜索し、ヘリコプターやドローンを使って上空からも捜していた。14日には、母親が防災無線で「よっちゃん、返事して。早く出てきて」と呼びかけたが、返事はなかった。


 下関地方気象台によると、周防大島町の12日から3日間の最高気温は33度前後で、平年より2度ほど高かった。蒸し暑く、雨は観測されなかったという。


 国立病院機構災害医療センターの小井土雄一・臨床研究部長は「脱水症状や熱中症など、生命の危機に及ぶようなリスクがある中、場所を選んで暑さをしのいだり、水分を補給したりするという行動をすることは、まだ難しい可能性もあった。2歳児が3日間、野外で過ごすのはかなり厳しい状況で、無事で本当によかった」と話した。

 

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